稀に長くかかるケースもありますが、注文住宅の設計からお引き渡しまでにかかる期間はたいてい6~12か月です。

その間の工事や手続きの進み方について理解しておくことで、施主の側もいろいろな計画を立てたり準備を進めたりできます。

注文住宅の設計からお引き渡しまでは「設計から土地の購入まで」と「着工から完成まで」「完成からお引き渡しまで」という3つのステップに分けられます。

この記事では設計からお引き渡しまでの流れをそれぞれのステップごとに詳しく解説していきます。

Step1:理想の住まいを設計してプランに合う土地を購入する

最初に行うのは「どんな家を建てるのか」というプランの作成もしくは家を建てるための土地探し。どちらを先に行うかはケースによって違います。

プランの作成では家づくりの専門家である建築士と一緒に間取りを設計し、内装や外装についても用いる部材や色などを決めていきます。

この時、大切なのは家族の思いを建築士に伝えることです。どんな家でどんな暮らしがしたいのか、たくさんの要望を遠慮なく伝えると、建築士はそれを満たすためにはどんな家が必要か、具体的にイメージしてプランを作ることができます。

プランが決まったら、その家を建てるために必要な土地の広さやお金の額がわかるので、土地探しと資金の準備を始めます。土地を先に探す場合には、購入したい土地に合わせてプランを作成して、同じく、資金の準備を進めます。

新たに土地を購入する場合には、候補の土地が見つかったら、銀行などの金融機関に対して、住宅ローンの仮申請を行い、審査にパスしたら、土地を購入してローン契約を結びます。

建て替えの場合には、一般に「建て替えローン」を利用します。担保になる土地の抵当権等に問題がなければ、ローンの審査は比較的簡単です。

Step2:いよいよ着工! 基礎から内装外装の完成まで工事を見守る

土地を購入できたら、いよいよ着工です。人によっては安全を祈って地鎮祭を行うケースもあります。工事を始める際には建築費用の1~3割程度を着手金として支払うのが一般的です。

住まいの工事で最初に行うのは住まいの土台となる基礎の工事です。基礎ができたら、その上に柱や壁などの構造を建てていきます。

柱と梁の工事が完了するなど、躯体の工事が一定まで進んだところで、上棟式を行う施主もいます。通常はこの段階で、建築費用の3割程度をさらに支払います。

躯体の工事が完了したら、続いて内装や外装の工事に取りかかります。大きな部材は設計段階で決められていますが、細かな仕様はこの段階で決めていくことが多いので、施主はクロス選びなどをします。

心配する声をときどき耳にするのですが、万が一、工事期間中に火災等により被害が発生した場合には、建築会社が加入している保険で補償されます。

完成間近の住まいが火事で全焼してしまった、などという場合も、保険金で再建できるので心配はありません。

ただし、地震などの自然災害による被害については補償されないこともあるので、契約内容をよく読んで確認しておきましょう。

Step3:ついに完成! お引き渡しまで最後の一手間

建物の内装・外装が完成したら、お引き渡しの前に施主自身が出来映えをチェックします。

完成立ち会いや内覧会と呼ばれる手順ですが、安心して暮らし続けることができるか、さまざまな項目をしっかり確認することが大切です。

とはいえ、施主は建築については素人であるケースが多いので、利害関係のない専門家に住まいの出来映えをチェックしてもらうこともあります。

建築士などの第三者機関に施主が依頼して、契約通りに建てられているか、不具合等はないか、といった事柄を確認してもらうのです。

建物にもし不具合が見つかったら、建築会社に修繕を依頼します。工事をする過程で、小さな傷や汚れなどがつくことは珍しくありませんが、この段階で依頼すれば、きちんと対応してもらえます。

修繕が完了した後、再度チェックして問題がなければ、いよいよお引き渡しです。お引き渡しの際には残金の支払いも行います。

まとめ

設計からお引き渡しまでは住まい作りの中で、いちばん楽しみが大きい工程でしょう。少しずつ、マイホームができていく様子を見るのは、ワクワクするものです。

そんなタイミングにもう一つ味わえる楽しみが新しい家具や家電のショッピングです。工事や手続きの流れを確認した上で、家族そろっていろいろな準備を進めるのがおすすめです。

多くの人にとって、一生に一度の体験ですからぜひ満喫してください。

<この記事の監修者>

橋本賴幸(ハシモトヨリタカ)氏

一級建築士、ファイナンシャルプランナー(AFP)、公社)大阪府建築士会、公社)日本建築家協会近畿支部、一社)大阪府建築士事務所協会など、京都美術工芸大学特任教授。

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