『住まいるブログ』~知って得する住まいの基礎知識~

住宅を建てるとき、「窓」の選び方は非常に重要です。窓は、採光や通風といった基本的な機能だけでなく、日差しや雨風を防ぎつつ、断熱性や防音性を確保する役割があります。また、窓からの眺めや、室内から見た窓のデザインは、住空間の雰囲気、つまり「心地よさ」を左右します。窓と窓サッシは、健康や快適さ、省エネや耐震・耐風性、それにセキュリティ上の問題から見ても、とても重要なパーツです。

耐久性、遮光性、見た目の美しさ、そして断熱性・防音性等を兼ね備えた窓の選び方について、ここでは詳しく説明します。

【目次】

  1. 何を優先するのかを考える
  2. 開口部(位置)を選ぶ
  3. ガラスを選ぶ
  4. 窓サッシを選ぶ
  5. 開閉方法を選ぶ
  6. まとめ

1. 何を優先するのかを考える

まず、窓の選び方について考えてみましょう。窓は主に「開口部(位置)」、「ガラス」、「枠(窓サッシ)」の3つで構成されます。

ここにこの大きさで、このガラスで、このサッシを採用するとなると、選ぶのは結構大変なものです。窓を選ぶ際にまず考えるべきなのは、自身が生活する中で何を優先するかです。

部屋の明るさ、開放感、デザイン、景色が見える、省エネなど思いつくものを書き出して、優先度の高い順に並べてみてください。

2. 開口部(位置)を選ぶ

「開口部」は、採光面積、通風量、遮光性、防犯性などを考慮します。

「採光面積」は、部屋の広さや形状、使用する家具や明るさの好み、住宅の向きによって決まります。窓の大きさが大きいほど明るく感じますが、反面、ヒートショック(※)のリスクが高まる可能性もあるため、調整が必要です。

「通風量」については、窓が大きいほど風を多く取り込むことができます。

「遮光性」は、カーテンやブラインドで調整が可能ですが、窓の配置や窓自体の遮光性も重要です。

「防犯性」については、窓の位置や窓開閉方式、窓ガラスの選択などが関わります。

※気温の変化によって血圧が上下し、心臓や血管の疾患が起こることをヒートショックといいます。

3. ガラスを選ぶ

次に「ガラス」について考えてみましょう。

ガラスにもいくつか種類があります。例えば、複層ガラスは、2枚のガラスの間に空気層を挟み込んだもので、断熱性や遮音性に優れます。

また、Low-E複層ガラスは、ガラス表面に薄い金属膜を塗布することで、夏は外部からの熱を遮断し、冬は室内の熱を逃がさないという高い断熱性を持っています。

さらに、防犯ガラスや遮音ガラス、遮光ガラスなどもあります。

断熱性、遮音性についてはこちらの記事をご覧ください→断熱や遮音についての考え方

4. 窓サッシを選ぶ

そして、「枠(窓サッシ)」について考えてみましょう。窓サッシは「アルミニウム」「樹脂(ポリ塩化ビニル)」「木材」などがよく使われます。

「アルミニウム」は、軽量で取り扱いやすく防火性能に優れていますが、断熱性に劣るため結露が出やすいです。

「樹脂」は、耐候性や断熱性が高いため結露しにくく、その分アルミニウムよりも高価です。

「木材」は、見た目の風合いや触り心地が良く、断熱性、調湿性に優れていますが、劣化するため維持管理が必要です。

窓サッシの選び方としては、まず予算を考えましょう。アルミニウムやポリ塩化ビニルは比較的安価ですが、木材は高価になります。次に気候を考えます。寒冷地では断熱性に優れた材料、海沿いでは塩分に強い材料が適しています。また、窓の形状、サッシの凹凸や金物の種類なども見た目や使い勝手に影響します。

5. 開閉方式を選ぶ

窓選びには、タイプ別の開閉方式があります。開閉方式の選択は利便性、防犯対策、窓の大きさ、予算等から選びます。

戸建て住宅では、よく見られるタイプに「引き違い窓」「すべり出し窓」「上げ下げ窓」などがあります。丸い窓やデザイン性の高い窓にする場合に開閉ができないFIX窓にすることも多いですが、どうやって掃除をするかも考えた方がいいでしょう。

6. まとめ

窓は家の中でも大切なパーツです。これらの選び方によって、家全体の快適さや機能性、見た目が大きく変わります。しかし、バランスが大切で、全てを満たす選択が必ずしも最善ではありません。

方で、窓の選び方ひとつで住宅の安全性を大きく左右することもありますので、じっくりと選ぶことをおすすめします。しっかりと自分たちのニーズやライフスタイルに合わせた最適な窓を選びましょう。

<この記事の監修者>

橋本賴幸(ハシモトヨリタカ)氏

一級建築士、ファイナンシャルプランナー(AFP)、公社)大阪府建築士会、公社)日本建築家協会近畿支部、一社)大阪府建築士事務所協会など、京都美術工芸大学特任教授。

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