愛着がある住まいも、古くなってくるとさまざまな不具合や生活スタイルに合わないところが出てきます。そうなると、「建て替えようか?」それとも「リフォームですませようか?」と悩むもの。

ただ、どちらにしてもそれなりに大きな費用がかかるので、失敗はしたくありませんよね。

そこで、今回は建て替えとリフォームのメリット・デメリットを紹介するとともに、判断のポイントについて解説します。

建て替えorリフォーム? それぞれのメリット・デメリット

【建て替えとリフォームのメリット・デメリット】

メリット デメリット
建て替え
  • 家族のニーズに合う間取りにできる
  • 最新の設備を導入しやすい
  • 地盤を補強できる
  • 費用の多くをローンでまかないやすい
  • リフォームよりコストがかかる
  • 立地によっては同じくらいの広さの家が建てられないことがある
  • 工事中の仮住まいを用意する必要がある
リフォーム
  • 予算に合わせて規模を調節しやすい
  • 仮住まいが要らないことがある
  • 愛着のある住まいを残せる
  • 希望通りの間取りを実現できないことがある
  • 住宅性能の向上に限界がある
  • 地盤の補強までは難しい
  • 工事費用を借入でまかなえないことが多い

建て替えのメリット

今住んでいる家を取り壊して、新たに別の家を建てるのが建て替え。一から家を建てるので、長年の間取りや設備に対する不満をほぼ解消できます。

たとえば、子供に家族ができて二世帯住宅にしたい場合で、玄関、キッチン、浴室、トイレなどを世帯ごとに設ける「完全分離型」にしたいという場合は、思い切って建て替えた方が住みやすい家になります。

また、住まいの建築技術はどんどん進化しているので、20年、30年前に建てられた家と今の家では、断熱性能などがまったく違いますし、水回りの設備などもはるかに使いやすく便利になっています。

建て替えなら、省エネで夏涼しく冬暖かいリビングや使い勝手のいいキッチンなどを実現できますから、暮らしが一気に快適になります。

加えてお金の面では、建て替えなら「借入がしやすい」というメリットがあります。多数の融資商品がある住宅ローンを利用できるので、費用の大半をローンでまかなうことができるのです。

建て替えのデメリット

メリットが多い建て替えですが、やはりデメリットもあります。いちばんのデメリットは、既存の住まいを活かすリフォームに比べて、大きな費用がかかる点でしょう。

通常は住宅ローンを利用できますが、年齢が高い人の場合には、返済期間が短くなったり、借入が難しくなったりすることがあります。

また、もとの建物よりも小さな家しか建てられないこともあります。これは、もともとの家を建てた時とは建物を建てる際のルールが変わってしまっているケースがあるからです。

取り壊しや建築工事の間は仮住まいを用意しなければならないことも、デメリットと言えます。引っ越しはたいへんですし、通勤や子供の通学が不便になることもあります。賃貸住宅を借りる場合には家賃もかかります。

リフォームのメリット

建て替えとの比較でいちばんのメリットと言えるのはなんといっても、コストを抑えられることです。「こことここだけ手を入れよう」という具合に、予算に合わせて規模を調節できるので、お金の負担が重すぎる……という心配は小さいでしょう。

規模にもよりますが、仮住まいを用意しなくていいのもリフォームのメリットです。住みながら工事をしてもらえることが多いので、生活の不便や費用負担を抑えられます。

加えて、建て替えの場合は既存の建物を取り壊しますが、リフォームであれば愛着のある住まいを残すことができます。歴史のある家などでは、子供や孫が住み継いでくれるのが嬉しい、という人もいるので、そんな人には建て替えよりもメリットが大きいかもしれません。

リフォームのデメリット

一方、リフォームでできることはやはり限られています。たとえば、耐荷重や配管などがネックとなってしまうため、間取りを大きく変えるのは簡単ではありません。

耐震性や断熱性といった住まいの性能を高めたい場合も、リフォームでは十分な効果が得られないことが少なくありません。「震度7の地震でも安心できる家にしたい!」「夏暑くて冬寒い家をどうにかしたい!」といった希望を叶えるためには、大がかりな工事が必要です。

耐震性に関して言えば、1981年6月1日に建築基準法の改正によって定められた新耐震基準もポイントです。というのも、それ以前に建てられた家は現行の耐震基準を満たしていないことが多いので、リフォームするとなるとより一層費用がかかるからです。

また、土地の状態によりますが、リフォームでは地盤の改良は難しいことがあります。結局、建て替えた方がコストパフォーマンスがいい、と言えるケースは多いのです。

大きな費用がかかる時には借入を利用したいところですが、リフォームの場合には建て替えに比べて大きな額の融資が下りにくいという問題もあります。

建て替えかリフォームかを判断するための3つのポイント

ここまで、建て替えとリフォームを細かく比較してきました。それを踏まえて、どちらがいいのか判断するポイントを3つご紹介します。

ポイント①:リフォームした場合の費用が2,000万円より高いか、低いか

リフォーム費用が2000万円以上になる場合は、建て替えとほとんど費用が変わらない可能性があります。費用が同じなら、建て替えのメリットの方がたいてい大きくなります。

ポイント②:愛着を優先するか、新しい間取り・設備を優先するか

家族が住み継ぐ可能性が低い場合や、愛着があって今の家をできるだけ残したい場合、費用を比較して明らかにリフォームの方がコストパフォーマンスが高い場合はリフォームがよいと考えられます。

しかし、建て替えなら地盤や構造体の補強ができるので、この先も家族が住み継ぐ可能性が高いのであれば、建て替えの方がメリットは大きいと言えます。また、今の家を残すことよりも新しい間取り・設備を優先する場合も、自由度の高い建て替えがおすすめです。

ポイント③:地盤・構造体の耐久性に不安があるか、ないか

地盤や構造体の耐久性に不安がない場合、簡単な間取りの変更等であれば、たいていはリフォームの方がコストパフォーマンスが高くなります。でも、地盤、構造体に問題があり、しっかり補強する必要があるのなら、建て替えがおすすめです。その際、図面や地盤改良データ、写真などの建築時の資料が残っていれば、地盤や構造体の耐久性を判断する材料になります。

まとめ

いかがでしたか? 建て替えとリフォームのどちらが自分の家に適しているか、判断できそうでしょうか? どちらにも一長一短があるので、どちらかが正解とは言えません。

お悩みの方は住宅博で開催されている無料相談会に参加してみるのもおすすめです。

皆様の将来の理想像やご要望を伝えれば、専門家の立場から最適な選択肢を提案してもらえます。

<この記事の監修者>

橋本賴幸(ハシモトヨリタカ)氏

一級建築士、ファイナンシャルプランナー(AFP)、公社)大阪府建築士会、公社)日本建築家協会近畿支部、一社)大阪府建築士事務所協会など、京都美術工芸大学特任教授。

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