家づくりに関するサイトや本の多くは、家を建てる工程の一つに「地鎮祭を行う」という項目を挙げています。地鎮祭とは敷地をお祓いして、工事の安全を祈願する行事ですが、実際には同じ新築でも行う場合と行わない場合があります。

地鎮祭を行うには費用も手間もかかります。そのため「やらなくてもいいなら、やらずに済ませたい」と考えている人も多いのではないでしょうか。

そこで今回は地鎮祭の意味や、やる・やらないの判断基準を解説するとともに、やる場合の費用や神社の選び方についても紹介します。

地鎮祭はやらなくてもいい? やった方がいい?

地鎮祭とは

地鎮祭(ぢちんさい)は土地の神様をしずめ、工事の安全を祈願する儀式で、かつては「とこしずめのまつり」と読まれ、土木・建築等にまつわる重要な行事として大切にされてきました。

起源は古く、西暦690年にはすでに地鎮祭が行われた記録があります。神社が行う神式が一般的ですが、仏教でも「地鎮法」「鎮宅法」「地祭り」といった名称で同じような儀式があります。

やり方は地域の習慣や神社によって多少違いがありますが、概ね以下のような流れで行われます。

こうして土地の神様に無事家が完成するようお祈りするわけですが、さて建て主はこの行事をやらなくてもいいのでしょうか、それともやった方がいいのでしょうか。答えは「やらなくても構わないが、やることによるメリットもある」です。

以下ではその理由を解説していきましょう。

地鎮祭をやらなくてもいい理由

地鎮祭をやらなくてもいい理由は、あくまで宗教行事だからです。「地鎮祭をやらなければ家を建ててはいけない」といった法律は存在しないため、地鎮祭をやらずに家を建てても法律などに違反するわけではありません。

そのため特に神道や仏教に帰依するわけでもなく、宗教的な儀式をすることに意味を感じないのであれば、地鎮祭を行う必要はないのです。

地鎮祭をやった方がいい理由

一方で、地鎮祭を行うメリットもあります。それは施工会社や工事業者との信頼関係につながるという点です。

地鎮祭には建て主とその家族以外に、棟梁や鳶(とび)、工事責任者や設計者、基礎などの工事に関係する職人が出席します。

家を建てる工事というのは文字通り命がけの仕事。現場で働く職人の中には、ゲンを担ぐことや縁起の良し悪しを大切にしている人も少なくありません。そんな人たちにとって工事中の安全を祈願する地鎮祭は、自分たちが気持ちよく仕事をするうえで、非常に重要な儀式です。

この点を踏まえて考えると、建て主が率先して地鎮祭を行うということは、「職人のみなさんの安全無事を祈っています」という意思表示になるのです。

もちろん地鎮祭を行っただけで関連業者との信頼関係が確立できるわけではありませんが、その土台を築く行事になることは確かでしょう。

より良い家というのは、関連業者全ての協力があってはじめて完成するものです。その意味で、建て主と業者の信頼関係を築くきっかけとなる地鎮祭は「やった方がいい」とも言えるのです。

地鎮祭の費用は2万円〜10万円以上と幅広い

実際に地鎮祭を行うと決めた場合、気になるのは費用です。地鎮祭の費用は大きく以下の3種類に分けられます。

費用の種類 金額の目安 備考
玉串料(初穂料・神饌料) 2〜3万円 必須
お供えもの 1万円程度 任意(地域差あり)。お酒や水、塩や米、野菜、魚など
関係者に配る粗品 2,000〜3,000円程度 近隣住民への挨拶回りの時に持参するa

このほか、儀式後に関係者参加の宴会を開いたり、宴会の代わりに仕出し弁当を用意したりする場合もあります。そのため、地鎮祭の費用は安くて2万円程度、高い場合は10万円程度と相場の幅が広くなってしまうのです。

神社選びはハウスメーカーに任せよう

ここまで費用に幅があると、自分で「お供えものはいくらくらい用意して、粗品はいくらのものを用意して……」と決めていくのは難しいと感じる人も多いはず。

そのような人は、ハウスメーカーの担当者に相談してみましょう。地鎮祭は家を建てる工程の一つとして一般化しているので、多くのハウスメーカーは建て主がスムーズに地鎮祭を行えるよう、特定の神社と提携しています。

また当日までの準備や段取りもハウスメーカーがサポートしてくれるため、自分で全てを準備するより格段に楽です。

個人的に頼みたい神社があるなら別ですが、建て主の要望や地域の習慣などを踏まえた最適な地鎮祭を提案してくれるので、基本的にはハウスメーカーに任せることをおすすめします。

まとめ

地鎮祭は「行わなければ家を建てられない」というものではありません。しかし関連する業者との信頼関係づくりに役立つ、というメリットもあります。

この点を踏まえたうえで「やっておいた方が良さそう」と思うのであれば、ハウスメーカーの担当者に相談してみましょう。

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