『住まいるブログ』~知って得する住まいの基礎知識~

住まいの立地は暮らしの快適性や利便性に大きく影響します。立地についてはいろいろな選択肢がありますが、都心か郊外か、というのはその中でも暮らしに大きな違いが現れるチョイスです。

最近ではコロナ禍で生じた働き方の変化を受け、それぞれのメリット・デメリットが変化し、選択の幅が広がってきました。この記事では最新のメリット・デメリットを確認し、適切な考え方を紹介します。

■コロナ禍を受けての見直しと優先順位の設定

都心及び郊外のメリット・デメリットについてはこれまで、ネット上の記事や住宅雑誌、家の建て方を紹介する書籍など多くの媒体で語られてきました。

ただ、最近では新型コロナウイルス感染症により社会が大きく変化し、特に働き方が変化したことで、メリット・デメリットともにこれまでとは異なるものになってきました。

働き方におけるもっとも大きな変化はリモートワークの増加でしょう。住環境については通勤のニーズが低下し、代わって仕事部屋のニーズが高まることとなりました。

コロナ前に比べて、「通勤の負担が大きくても、広い家の方がいい」という考え方をする人が増えているのです。

これから住まいを建てる人は、こういった変化を踏まえて、都心と郊外のメリット・デメリットを見直す必要があります。

その上で、どちらかを選択する必要がありますが、各メリット・デメリットから受ける影響の大きさは家庭により異なりますし、将来的には変化します。

ですから、子供の有無といった各家庭の特徴に加え、肉体的な変化や家族の人数の増減といった経年による変化を念頭に置いて、優先順位を設定することが大切です。

■通勤楽だが地価が高め 都心のメリット・デメリット

■自然が多いけど移動は車が基本 郊外のメリットデメリット

■今と将来を見据えて家族にとっての優先順位を検証しよう

家庭にはそれぞれの事情があります。働き手の職業や子供の人数、同居する世代の数、趣味や嗜好などがそれぞれ違うので、たくさんあるメリット・デメリットの中でどれを優先すればよいかは異なります。

リモートワークの割合は都心・郊外の選択への影響がわかりやすい特徴です。コロナ禍以前、多くの人が立地について重視する要素は通勤時間でした。就業時間が長い人の場合、「残業すると終バスに乗れない」などの問題があるので、都心しか選べないことが少なくなかったのです。

ところが、コロナ禍以降、リモートワークを導入する企業が増えたことで、通勤時間が短いことは優先順位の高い条件ではなくなりつつあります。

子供の教育面も事情が変わってきました。たとえば、子供が「本格的に音楽をやりたい」と希望する場合には、都心でなければ専門の講師が見つからない、といった問題が以前はありました。

コロナ禍以降、ZOOM等を使うオンライン教室を開くスクールや講師が増えているので、そういった問題も解消されつつあります。

このように、家庭の事情により優先すべきメリット・デメリットは異なるのに加え、コロナ禍によりその影響は急激に変化しています。ですから前述した事項の優先順位を家族全員で、「今まで」の考え方ではなく、「今」の状況に照らして検証してみることが大切です。

さらにもう一つ、都心と郊外を比べる際には今の事情だけでなく、将来の変化についても意識してください。

家族の事情は月日がたてば変化します。自分たちが現役世代なら、例えば今は3世代同居でも、子供は巣立っていきますし、親世代は高齢者施設に入所するかもしれません。あるいは定年後をゆっくり過ごすために新築するにせよ、自分たちが住んだあとの家をどうするか、ということも考えておく必要が出てきます。

社会的な変化も無視できません。郊外の場合には開発により人口が増加するかもしれません。自動運転が本格導入されれば、交通の不便が軽減されるため、都心部から移り住む人が増えることも考えられます。

長く人口減が続く中、移民の緩和政策が導入される可能性もあります。そうなれば、住まいの需要が増えるので、地域によっては地価が上昇するでしょう。社会の変化は住まいの資産価値に影響する可能性が高いのです。

こんな風に、都心か郊外かを選択するときには、将来の家族・社会の状況をいくつかシミュレートして、将来の優先順位を想定しておくことがとても大切です。

■まとめ

コロナ禍により国内ではデジタル導入が急速に進みました。その影響で働き方を含む生活のあり方が大きく変わり、都心・郊外の持つメリット・デメリットも様変わりしています。

以前は都心ならではのメリットがありましたが、デジタル技術の導入により、どこにいても仕事ができ、オンラインでつながることができるようになったので、住まいの立地を選ぶ自由度は今後どんどん高くなっていくと思われます。

今起きている変化を意識し、ご自身のライフプランを考えてみることで、適切な選択をしやすくなるはずです。

<この記事の監修者>

橋本賴幸(ハシモトヨリタカ)氏

一級建築士、ファイナンシャルプランナー(AFP)、公社)大阪府建築士会、公社)日本建築家協会近畿支部、一社)大阪府建築士事務所協会など、京都美術工芸大学特任教授。

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