土地の購入には複雑な手続きがいくつもあり、購入代金の他にもさまざまなコストがかかります。

「住まいの購入資金は住宅ローンで賄おう」と考える人が大半ですが、購入にともなう「諸費用」についてはローンで賄えないことが多いので、注意が必要です。

資金計画を立てる際には、土地の購入に必要なコストについて確認し、どうやって賄うか考えておいた方がいいでしょう。

■土地の購入には手間とコストがかかる

一般的なお買物とは違い、土地を購入するときには、購入代金だけでなくさまざまな手数料や税金などを支払う必要があります。

ショッピングの大半は代金の支払いと引き渡しが同時に行われて完了します。たとえば、スーパーで卵を買うときには、品物をレジに持っていき、お支払いを終えたら、持って帰ることができます。

購入代金以外で必要なのは消費税くらいなので、「思ってもいなかったコストがかかってしまった」などという問題は起きません。

そういった日常のお買い物に比べて、土地の購入は手順が少し複雑です。

「買い付け」「契約」「引き渡し」という3つのステップがあり、それぞれいくつかの手続きを必要とするためです。中には手数料や税金などのコストが発生する手続きもあります。

それなりに大きな金額になることが多いので、あらかじめどの手順にどのくらいのお金がかかるのか、確認しておきましょう。

土地の購入に必要な手続きを確認しておこう

土地の購入に必要な手続きは主に5つあります。各項目について、時系列に沿って解説していきます。

①買い付け証明書の提出

買主が土地の売主や仲介業者に対して、「この土地を買います」という意思を示すために発行する書類です。購入希望額や契約・引き渡し希望日、有効期限などを記載します。

有効期限は1~2週間程度です。あくまで私的な書類なので、法的な拘束力はありません。

②住宅ローンの事前審査

土地の購入費用を住宅ローンで賄う場合には事前に審査が必要です。

住宅ローンは物件の購入契約が完了した後で本審査が行われますが、その時点で却下されると、買主や売主に大きな損害が発生するので、事前に審査を行うのです。

③重要事項説明

売買の対象となる不動産について、売主や仲介業者が「物件に関する重要な事項」や「取引に関する重要な事項」を買主に説明する手続きです。

非常に大切な手続きであり、不動産を購入するときには必ず行うよう、宅地建物取引業法で定められています。

④不動産売買契約

重要事項説明を受けて疑問点やわからないことが解消できたら、いよいよ売買契約を結びます。仲介業者を介して購入する場合には仲介手数料を支払う必要があります。

200万円以下の部分については5%、200万円超400万円以下の部分については4%、400万円超の部分については3%と定められているので、売買価格が400万円を超えるときには下記の式で金額を算出できます。

仲介手数料=(売買価格×3%+6万円)+消費税

⑤引き渡し

付帯設備や隣地との境界など、土地の状態が契約と違っていないかを確認した上で、売主もしくは仲介業者からお引き渡しを受けます。

土地の購入に必要な諸費用について知っておこう

土地の購入に必要な諸費用には購入時にかかる費用と少し後になってかかる費用があります。資金の準備に手間取ることがないよう、手続きを進める中でどの費用をいつ支払うのか、あらかじめ確認しておきましょう。

●購入時にかかる費用

売買契約書印紙代 土地の売買契約書に貼付する印紙の購入代金です(2020年9月時点では軽減税率が適用されています)。
登録免許税 不動産の所有権を登記する際に支払う税金です(2020年9月時点では軽減税率が適用されています)。
司法書士報酬 土地の登記を委託する司法書士に支払う報酬です。
仲介手数料 前述の通り、仲介業者に支払う手数料です。
不動産取得税 不動産の購入に対して課される税金です(2020年9月時点では軽減税率が適用されています)。
固定資産税の日割り分 売買契約を結んだ年の固定資産税は買主と売主が日割りで負担します。
住宅ローン手数料 住宅ローンの手続きをするのに必要な費用で、銀行等の金融機関に支払います。
抵当権設定費用 住宅ローンの設定にともない、抵当権を設定するための費用です。

●購入後に必要となることがある費用

農地転用の許可及び登記費用 もともと農地として登記されていた土地の場合、転用の許可手続きや新たに登記を行う費用がかかることがあります。
測量費用 土地の広さや境界を正確に把握する目的で測量を行うための費用です。
古屋取り壊し費用 購入した土地に建物が建っていた場合、取り壊すための費用がかかります。
インフラ整備費用 上下水道やガス、電気などのインフラ設備がない土地の場合には、導入するための費用が必要です。

土地購入時に必要な経費は原則自己資金

土地を購入する際に支払う諸費用は現金一括払いが基本です。たとえば、3000万円の土地を購入した場合、消費財を含めると仲介手数料だけで100万円以上かかりますが、分割払いはできません。

また、住宅ローンの借入額は通常、担保となる住宅の価値以下に設定されるため、諸費用は自己資金で支払うのが一般的です。

まとめ

土地の購入手続きは複雑で、諸費用がいくら必要かを計算するのはかなりたいへんです。

自身で勉強してみることも大切ですが、わからないことは不動産の専門家であるハウスメーカーの営業マンに尋ねてみるのがおすすめです。

<この記事の監修者>

橋本賴幸(ハシモトヨリタカ)氏

一級建築士、ファイナンシャルプランナー(AFP)、公社)大阪府建築士会、公社)日本建築家協会近畿支部、一社)大阪府建築士事務所協会など、京都美術工芸大学特任教授。

住宅博からのお知らせ housing information

見どころたっぷり最新のイベント情報を掲載中