「どんな住まいを建てるのか」を考える際、基本となるのが間取り。さまざまな間取りの家が立ち並ぶ住宅展示場を見学することで、間取りがもたらす利便性や快適さをイメージしやすくなります。

そこで、この記事では住宅展示場を見学する際、間取りについて押さえておきたい4つのポイントを紹介していきます。

住宅展示場ならいろいろな間取りを体感できる

間取りとは部屋の数や配置、広さのことを言います。「1階の南側に18畳のリビングを設けて、ダイニングキッチンとつなげる」「2階には子供部屋を二つと3畳の納戸を配置する」というような住宅設計の基本であり、住み心地に大きく影響します。

住まいを紹介する際には「3DK、4LDK……」などと表記されますが、同じ4LDKでも、部屋の広さや配置が違うと、住み心地はまったく異なります。

開放感や動線の使い勝手などは、実際にリビングのソファに座ってみたり、キッチンと洗面所を往復したりしてみないとなかなか実感できません。だからこそ、住宅展示場でさまざまなパターンを体感してみることが必要なのです。

Point1:家族のニーズを参考に部屋数を決める

間取りについて考えるとき、基本になるのは家族のニーズです。たとえば、多くの子供は「勉強したりプライベートな時間を過ごすための子供部屋がほしい」と希望します。そのため、子供の数と同数の子供部屋を設けるのが一般的です。

ただ、住まいの広さや子供部屋についての考え方次第では、一つの部屋をパーテーションで仕切るなどの使い方もありです。

また、子供が小学生のうちは子供部屋よりも「パブリックなスペース」で勉強させる方が親の目が届くので成績が上がりやすい、とも言われています。そのため、家族の専有スペースをリビングの隅に机を置いて確保するという選択肢も十分検討する価値があります。

将来的な働き方の変化も、間取りのことを考える時には意識すべきでしょう。例えば自宅での勤務が増えると予想されるような場合は、書斎や仕事部屋の必要性についても検討しておくのがおすすめです。

Point2:生活の利便性を決める動線や収納に配慮する

間取りの中でも生活の利便性に直結するのが「家事動線」です。キッチンから洗面所、洗濯機を置く場所から物干しスペースになるテラスまで、といった家事動線は生活の利便性に大きく影響します。

動線の重要性は、できるだけ現実に近い状況でイメージすると理解しやすくなります。そのため住宅展示場では、たとえば「洗濯物を抱えての移動」を想定して廊下を歩くなど、具体的にシミュレーションしてみてください。

加えて、収納の配置や大きさも暮らしの質に直結する重要な要素です。ウォークインクローゼットがあると、衣類の収納や着替えがとても楽になりますし、リビングなどが散らかるのを防げるからです。

最近では玄関に大きめの収納を設けるケースも増えています。靴や傘などに加え、子供の外遊び用玩具やアウトドア用品なども収納しやすいので、家族の暮らしに照らして、「あったらどのくらい便利か」を想像しながら見学してみてください。

Point3:家族の暮らしをイメージしてキッチンやリビングの間取りを決める

キッチンやリビングは家族が集まって交流するスペースです。子供が少し大きくなると親と距離をとりたがるのは、独立につながる自然な変化です。しかし大空間のリビングがあれば、適度な距離をとりつつ、家族みんなが一つの空間でストレスなく過ごすことができます。

モデルハウスの大きな空間に身を置いて、それぞれが別のことをしながらゆるくつながる、といった暮らし方をイメージしてみると、その価値がよくわかります。

自然が好きな人はリビングの窓を大きくとって、テラスや庭とゆるくつながる間取りを体験してみるのもいいでしょう。

キッチンについてはいろいろな好みがありますが、たとえば対面キッチンにすれば、LDKが一つの大きな空間になります。子供が小さいうちはキッチンからリビングの気配を確認できますし、調理をしている家族がリビングの会話に参加できる、という利点もあります。

家族で料理を楽しみたいなら、アイランドキッチンがおすすめです。使い勝手のいいキッチンがあれば、夫婦での、あるいは子供たちとのクッキングが家族の趣味になるかもしれません。

一方、独立キッチンにすれば、においや来客が気にならない、というメリットも。それぞれ、メリット・デメリットがあるので、住宅展示場ではいろいろなキッチンを見学しながら、家族の暮らし方をイメージすれば、間違いのない選択をしやすくなります。

Point4:採光や風通しに配慮して快適な住空間を作る

間取りの中で、暮らしの快適性に大きく影響するのが採光や風通しです。それらを考慮して、国内では「リビングは南もしくは東向き」「トイレや浴室は北もしくは西向き」など、東西南北それぞれの向きに適した部屋を配置するのが基本となっています。

間取りをうまく設計すれば、エアコンや照明の電気代を抑えられるので、快適でありながらエネルギー効率のいい住まいを実現できます。

採光については立地の影響があるので、モデルハウスを見学する時に、土地の向きや近隣の建物などをイメージしてみると、実際に家を建てる際に意識した方がよいことが見えてきます。

まとめ

家を建てる段階では、図面で間取りを見ながらあれこれ考えることになります。よほど慣れた人でないと、間取りから暮らしのことをイメージするのは難しいでしょう。

あらかじめ、いろいろな事柄を確認しながら、住宅展示場で多様な間取りを体感しておけば、空間の広さや動線の長さ、明るさなどについて「こんな間取りならこんな風になるんだ」とイメージしやすくなります。

住宅展示場を見学するときにはぜひ、今回紹介した間取りについての知識を意識してみてください。

<この記事の監修者>

橋本賴幸(ハシモトヨリタカ)氏

一級建築士、ファイナンシャルプランナー(AFP)、公社)大阪府建築士会、公社)日本建築家協会近畿支部、一社)大阪府建築士事務所協会など、京都美術工芸大学特任教授。

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