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住まいづくりのポイント

地震や災害に耐える「敷地/地盤」とか「建物の強さ」って?

敷地について何から考えれば良いのか?

建築物の敷地について、建築基準法の第19条に最低限備えるべき技術事項が明記されています。少なくとも、この条件を満たした敷地にすることを考えます。

第1項:
建築物の敷地は、これに接する道の境より高くする。
建築物の地盤面は、これに接する周囲の土地より高くする。
第2項:
湿潤な土地、出水のおそれの多い土地又はごみその他これに類する物で埋め立てられた土地では、盛土、地盤の改良その他衛生上又は安全上必要な措置を講じる。
第3項:
雨水及び汚水を排出し、又は処理するための下水管、下水溝等を設ける。
第4項:
がけ崩れ等による被害のおそれのある場合には、擁壁等の安全上の措置を講ずる。

敷地について何から考えれば良いのか?

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地盤の強さはどのように考えるのか?

建築基準法では、地盤がどれだけの荷重に耐えられるかを、1平方メートルあたりの重さで表す「地耐力」に応じた基礎を設計するようにしています。住宅における基本的な値は、30kN/㎡以上であれば布基礎かベタ基礎、30kN/㎡~20kN/㎡ではベタ基礎か杭基礎、20kN/㎡以下であれば杭基礎としています。地耐力を知るために、戸建住宅では「スウェーデン式サウンディング試験」を行う場合が一般的です。安価で手軽な試験方法で、地盤の種類と硬さを知る目安としては有効です。しかし、あくまで目安にとどめることが肝要です。

地耐力(kN/㎡) 基礎の種類
20未満 抗基礎
20以上30未満 抗基礎、べた基礎
30以上 べた基礎、布基礎

建物を支える地盤がどのように建物に影響を及ぼすのかは、その地盤の固有の性質が影響してきます。難解な地盤の場合には、地盤の専門家に相談する必要があります。例えば、阪神淡路大震災における住宅団地での出来事ですが、同じような住宅が建ち並んでいて、結果として後から専門家により判断されたことですが、盛土を含む地盤の上の住宅は軒並み傾き、切土の上の住宅は傾きませんでした。

他にも、粘性土の高い地盤では、徐々に沈んでゆく現象(圧密沈下)が懸念されますし、砂質の地盤では、地下水で飽和状態の時に地震に遭遇し、砂地盤を構成する砂粒が地下水とともに沸騰あるいは噴出する現象が懸念されます。東日本大震災では、「液状化現象」として大きな話題となりましたが、地盤の生い立ちを調べることや、地盤の専門家の意見を聞くことは、地盤の強さを知るための重要な要素です。

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建物の強さはどのように考えるのか?

建築基準法では、その技術基準を定めている「施行令36条の3」において、構造設計の原則を定めています。

第1項:
外力に対する構造上の安全性
(用途、規模及び構造の種別並びに土地の状況に応じて柱、はり、床、壁等を有効に配置して、建築物全体が、これに作用する自重、積載荷重、積雪荷重、風圧、土圧及び水圧並びに地震その他の震動及び衝撃に対して、一様に構造耐力上安全であるようにする。)
第2項:
水平力に耐え得るバランス
(主要な部分は、建築物に作用する水平力に耐えるように、釣合い良く配置する。)

建物の強さはどのように考えるのか?

建物の重心と壁の配置による建物の剛芯(建物の強さの中心)が離れる(偏芯する)ほど、地震時に建物が捩じれるように揺れ、より耐震強度を必要としてくる。

第3項:
剛性(変形のし難さ)、靭性(粘り強さ)を持たせる
(主要な部分には、使用上の支障となる変形又は振動が生じないような剛性及び瞬間的破壊が生じないような靱性をもたす。)

地震等により、構造物に大きな力がかかり、最終的に破壊してしまうような時でも、粘り強ければ、倒壊するまでに時間がかかり、避難が可能になります。粘り強い構造は、強度を保ちながら変形して、その間にエネルギーを吸収することができるのです。粘り強い構造は地震にも強く、「新耐震設計法」では剛性と靭性に着目し、中地震時の1次設計では主として剛性と強度を保つようにし、大地震時の2次設計では剛性が低下した後も、靭性の確保により「倒壊などの大被害を防ぐ」ようにしています。

建築基準法の第20条では、建物の区分に応じて構造方法に関する技術的基準を定めています。私たちの身近な木造住宅は、第四号に該当し、構造計算を必要としない建物ですが、政令で定める技術的基準(構造耐力上必要な軸組等)に適合することが求められています。

建物の強さはどのように考えるのか?

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構造耐力上必要な軸組とは?(構造計算を必要としない一般木造住宅)

構造計算を必要としない木造住宅等は、建築基準法施行令第46条第1項において、構造耐力上主要な壁、柱及び横架材を建築物のすべての方向の水平力に対して、各階の張り間方向及びけた行方向に壁又は筋かいを入れた軸組を釣合い良く配置するように規定しています。

具体的に第46条第4項において、2階建以上又は延べ面積が50㎡を超える木造の建築物について、張り間方向、けた行方向のそれぞれにつき、軸組の種類に応じて、地震力・風圧力に対しての「安全な軸組の長さ(壁量)」を算出して確認するように規定しています。

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軸組の種類と倍率とは?

軸組の種類と倍率については、同様に第46条第4項に表一として整理されており、その内容は下表の通りです。

軸組の種類 倍率
(一) 土塗壁又は木ずりその他これに類するものを柱及び間柱の片面に打ち付けた壁を設けた軸組 0.5
(二) 木ずりその他これに類するものを柱及び間柱の両面に打ち付けた壁を設けた軸組 1
厚さ一・五センチメートル以上で幅九センチメートル以上の木材又は径九ミリメートル以上の鉄筋の筋違を入れた軸組
(三) 厚さ三センチメートル以上で幅九センチメートル以上の木材の筋違を入れた軸組 1.5
(四) 厚さ四・五センチメートル以上で幅九センチメートル以上の木材の筋違を入れた軸組 2
(五) 九センチメートル角以上の木材の筋違を入れた軸組 3
(六) (二)から(四)までに掲げる筋かいをたすき掛けに入れた軸組 (一)から(四)
までのそれぞれの
数値の2倍
(七) (五)に掲げる筋かいをたすき掛けに入れた軸組 5
(八) その他(一)から(七)までに掲げる軸組と同等以上の耐力を有するものとして国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は土交通大臣の認定を受けたもの 0.5から5までの範囲内において国土交通大臣が定める数値
(九) (一)又は(二)に掲げる壁と(二)から(六)までに掲げる筋かいとを併用した軸組 (一)又は(二)のそれぞれの数値と(二)から(六)までのそれぞれの数値の和

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「地震力・風圧力」とは?

建物の設計では、地震によって床位置に作用する最大水平外力を想定し、その水平外力に対して、建物の各層が安全であるように設計していきます。構造計算をする場合には、想定する地震力に対して、比較的頻度の高い中小地震動(震度5弱程度)に対しては、ほとんど被害が無いように、また、関東大震災級(震度6程度以上)の極めてまれにしか起こらない大地震動に対しては、重大な損傷がなく、崩壊するまでに人命を守ることができる設計とするようにしています。 風圧力は、単位面積あたりの壁面に作用する風による圧力です。構造計算をする場合には、速度圧と風力係数を掛け合わせて求めます。速度圧は、室戸台風(1934)時の室戸岬での高さ15mにおける観測値(最大瞬間風速約63m/s)に基づいて規定されたようです。

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木材の材料としての強度は?柱の太さに決まりはあるの?

木材は、部材耐力性能を低下させる欠点を持つ、バラツキのある材料ですので、柱・梁・壁・小屋組・斜材等の構造耐力上主要な部分に使用する場合には、品質に支障がないようにしなければならないことを、建築基準法施行令第41条で、次のように規定しています。 「構造耐力上主要な部分に使用する木材の品質は、節、腐れ、繊維の傾斜、丸身等による耐力上の欠点がないものでなければならない。」

木材の材料としての強度は?柱の太さに決まりはあるの?

また、柱の小径に関する規定(横架材間の垂直距離×施行令41条第1項の表の係数)や、座屈を考慮した柱の有効細長比、梁の中央部の欠きこみ禁止、筋違の大きさ等の規定も設けられています。

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「免震構造」ってどんな構造のこと?

地震に耐える建物の構造として、大きく「耐震構造、制震構造、免震構造」に分けることができます。

「免震構造」ってどんな構造のこと?

地震時に建物に生ずる応力に十分に耐え得る強さの設計に配慮することで安全性を確保しようとするものです。

「免震構造」ってどんな構造のこと?

建物の揺れを制震ダンバーなどによりエネルギーを吸収させ、揺れを減じることで安全性を確保しようとするものです。

「免震構造」ってどんな構造のこと?

建物の足元に、ゴムと鉄板を交互に重ね合わせた「積層ゴム」などの免震装置を設置し、建物の長周期化を図り、地震との共振を避けることで安全性を確保しようとするものです。ただし住宅の免震構造の場合には、地盤が堅固であることが条件になります。

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